【18/19 PL Man City vs Man United】これぞ!なポジショナルプレーを見てみる
18/19シーズン最初のマンチェスターダービーです。リヴァプールを応援している身としては、優勝争いを演じることになるであろうシティに勝ち点を落として欲しかったですが、その期待とは裏腹に圧倒的な強さを見せつけて勝利しました。以前の記事でポジショナルプレーに興味津々と書きましたが、今回自分的に「これがポジショナルプレーか!」と思えるシーンがあったので詳しく振り返りたいと思います。
これぞポジショナルプレー!3点目のゴールシーンをみる
個人的にポジショナルプレーの要素が凝縮されていると感じたのはマンシティの3点目。ベルナルド・シルヴァのクロスからギュンドアンが決めたゴールです。ここに至るまでのパス回しにポジショナルプレーのエッセンスを感じました。
以前も記載しましたが、自分はポジショナルプレーを「攻守問わず優位性を生み出すポジションを取り続けることで、試合を支配しようとするサッカー」と解釈しています。適切なポジションでボールを動かし続けることで、相手の陣形が崩れるなどの優位性を生み出していきます。一部のメディアやTwitterなどにもありましたが、このゴールまでにシティが繋いだパスの数は44にものぼるそうで、如何にシティがボールを動かしているかが分かります。
早速そのシーンを振り返ってみます。2-1とリードしており、焦る必要のないシティはセーフティにパスを回してボールと選手を動かしていました。そんな中でも攻撃のスイッチは突然入ります。そのキッカケとなったのがシルバからスターリングへパスです。追いかける状況の中全くボールを保持できていなかったユナイテッドは、このパスが出た瞬間にフェライニとCBの2人でスターリングに襲いかかります。この時、フェライニはギュンドアンへのマークを外す判断をしています。
▲フェライニはこのプレー直前まで頻繁にギュンドアンのポジションを確認していました。
スターリングは、プレッシャーを受けたものの素早く後方のフェルナンジーニョにパス。そのフェルナンジーニョは、マークが外れてフリーに位置しているギュンドアンへとパスをします。
▲フェライニがスターリングに寄せたことで、ギュンドアンは広大なスペースを得ます。
フリーで前を向いたギュンドアンはドリブルを開始。並行してスターリングも前進し、ギュンドアンのドリブルによって釣り出されたCBの裏のスペースを狙いにいきます。(逆にギュンドアンはスターリングがいたスペースへ移動します)
今度はそのスターリングの動きに釣られて、ベルナルド・シルヴァが完全なフリーな状態になります。この段階で、ユナイテッドDF陣の対応は完全に後手に回り、一瞬全員でボールをみる状況に陥りました。そこにすかさずクロスを上げることで、ゴール前に上がってきたギュンドアンにボールが通ってゴールが決まります。
今回の得点は、パスを回して選手を動かし、それによって生まれたスペースを活用することを連鎖的に行うことで、徐々に優位性を大きくしています。これぞまさしくポジショナルプレーであり、ペップが最も理想とする崩し方なのではないでしょうか。
終始支配したマンチェスターシティ
この試合のスタッツを見てみると、シティがライバルを圧倒していたことが分かります。ポゼッションは、65%対35%。ボールタッチ数とパス数は、シティがそれぞれ887本と700本なのに対して、ユナイテッドは557本と380本と差がかなり大きいです。今回のように終盤にシティがリードしている状況になると、シティはセーフティにボールを回しつつ、相手が陣形を崩してまで奪いに来たらそこを起点に連鎖的に破壊していくのだとすると、非常に効果的で効率的なサッカーだと改めて感じました。シティが試合終盤に得点を決めている印象がある(そのうちデータで検証したいと思います)のも、こうしたことが関係しているのかも知れません。
▲参照:プレミアリーグ公式サイト(https://www.premierleague.com/match/38425)
戦術や分析に関して、こういう見方もあるよ、こうして見た方がいいよ、などご意見等ありましたら、コメントで教えていただけると幸いです。ぜひよろしくお願いいたします!