サッカーを通じて観戦力と分析力を上げていくブログ

基本的にはサッカー×データに関して試してみたことをまとめています。最近はもっぱらPythonを使った可視化中心。時々自分の好きなガジェットも。

【データ分析×Python】Jリーグスタジアムの商圏(30km)内の人口を可視化してみる-北海道・東北編-

前回に引き続きJクラブのスタジアムの商圏内の人口を可視化していきます。今回は北海道と東北地域を対象に可視化します。

使用するデータ

今回も使用するのは主に総務省の人口データと国土交通省GISデータとなります。詳しくは前回記事に記載しているので、興味のある方は参考にしてみて下さい。 

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これらのデータをPythonのfoliumというライブラリを使って地図上に表示しています。foliumで人口別に塗り分ける方法に関しても、過去記事でまとめているので試してみて下さい。

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北海道・東北地域のJクラブ別平均入場者数

J.LEAGUE Data Site」のデータから北海道・東北地域のクラブの2018年平均入場者数をグラフ化したのが下記になります。各棒の色が所属するリーグを表しているのですが、関東に続いてこちらもディビジョンが露骨に観客数にも影響を与えているようです。ちなみにヴァンラーン八戸は今年からJリーグに参戦したため、ここではデータがありません。

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商圏と圏内の人口を可視化-北海道-

まずは北海道から見ていきます。人口の塗り分けに関しては、前回と同じ基準で濃い青色ほど人口が多い地区となっています。全国の市区町村の人口を小さい順に並べ、データを6等分するように分けています。

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こうしてみるとコンサドーレ札幌の商圏はかなり恵まれているようです。30km圏内に人口の多い都市が密集しており、東京近郊のクラブとも引けを取らない商圏人口を誇っています。実際に札幌の平均観客数は、関東近郊のクラブと比べても、横浜FMに匹敵する水準で、商圏の多くが海部になっている湘南や柏よりも多くの観客を集めていることが分ります。

(参考)関東クラブの平均入場者数

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商圏と圏内の人口を可視化-東北北部-

続いて東北北部3県にあるスタジアムを見てみます。八戸と秋田は半分が海、岩手(盛岡)の2つのスタジアムは内陸部にあるものの商圏内にある地区数・人口が共に少くなっており、先の札幌と比較しても商圏という側面で不利だと感じてしまいます。改めて30km圏内エリアに含まれる市区町村の数に注目してみると、関東地域の人口密度の高さが際立ちます。

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商圏と圏内の人口を可視化-東北南部-

最後に東北南部に位置する3県です。ベガルタ仙台のホームスタジアムであるユアテックスタジアム仙台の商圏は、一部海になっているものの、市区町村数とそれぞれの人口もそれなりに多くなっています。平均観客数も札幌には及ばないものの、湘南や柏を超えており、やはり商圏内の人口は影響を与える一要因なのかも知れません。

山形のホームNDソフトスタジアム山形も、それぞれの人口は少ないものの商圏内に含まれる市区町村は多くなっています。

福島県内に3つのエリアがプロットされていますが、福島ユナイテッドのホームは真ん中のとうほうみんなのスタジアムです。圏内に含まれる市区町村数が少ないため、仙台・山形の2つに比べると商圏としては弱く感じてしまいます。

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北海道・東北地域では、商圏内の人口(≒市区町村数)が多いクラブほど平均入場者数が多い傾向があることが分りました。人口は東京近辺の方が圧倒的に多いですが、商圏内で他クラブと奪い合っているので、北海道・東北の人口が密集している地域のクラブも引けを取らずに結果的に同じレベルになるのだと思います。今後も引き続き他の地方も見ていこうと思います。

戦術や分析に関して、こういう見方もあるよ、こうして見た方がいいよ、などご意見等ありましたら、コメントで教えていただけると幸いです。ぜひよろしくお願いいたします!