【データ分析 × Python】リヴァプールの前半戦をスタッツから振り返ってみる(パス編)
以前の振り返りに引き続き今回はパス周りのスタッツを見ていきます。後半戦を観ていくためにも、リヴァプールのスタッツがどんな値なのか感覚を掴みたいと思います。
使用するデータ
使用するデータは引き続きWhoscored.comのものです。Googleが無料で提供するPython実行環境「Google Colab(グーグル コラボレイトリー)」を使って可視化していきます。毎度のことですが、ブラウザだけで実行でき、Google Driveとも連携できるので便利です。
▲Whoscored.comでは大量のデータを閲覧できます。写真はサマリーデータですが、選手個別のデータも見ることが出来ます。
リヴァプールの前半戦(18/19シーズン)を振り返ってみる
・パス本数、パス成功率
まずは全体のパス本数とその成功率から見てみましょう。
▲リヴァプールとその対戦相手の全パス数とパス成功数
濃い赤線がリヴァプールのパス本数、それに対してピンクの点線が成功したパス本数です。同様に濃いグレーと薄いグレーはそれぞれ相手のパス数を表しています。こうして見てみると分かるのが、まずは全体的にリヴァプールのパス数が多いということ。計算してみると、前半戦の1試合平均パス数は612本となっていました。第12節のフルハム戦以降は、安定して対戦相手との本数の差も大きくなっています。
グラフから絶対的なパス本数が下がっているところを見みると、まずはトッテナム戦とアーセナル戦、次いでレスター戦、シティ戦、エヴァートン戦、ユナイテッド戦で少なくなっています。基本的にはこれらのクラブに苦戦を強いられた印象を受けますが、圧勝したユナイテッドがここに並んでくるのは不思議です。(ハイライトでしか観られなかったので、原因分からずです。。)
▲リヴァプールとその対戦相手の試合毎のパス成功率
パスの成功率でも同様の傾向が見られ、トッテナム、アーセナル、レスター、エヴァートンとの試合で低くなっています。ここの相関に関しては、次のショート/ロングパス数に関わっているのではないかと考えています。
▲全パス数とパス成功数の関係を棒グラフでも表してみるとこんな感じになります。
・ロングパス、ショートパス数
世間的にはカウンターのイメージがあるリヴァプールのショートパスとロングパスの数はどのような感じになっているのでしょうか。パスの本数は分かったので、ここからはその割合で見ていこうと思います。
リヴァプールの試合でロングパス比率が多い試合は、こちらも強敵との試合が多い印象を受けます。下記記事内でも述べたように、リヴァプールの戦術はロングパスからのこぼれ球を奪ってショートカウンターを十八番としています。強敵との試合ではボールを保持される機会が多く、結果ロングボールでの反撃の機会も多くなることがスタッツにも表れているのだと思われます。ロングボールが多い=パスミスとなる可能性も高くなるので、先の成功率にも影響しているのではないでしょうか。
・パスのターゲットゾーン
続いてはパスのターゲットゾーン、すなわちどのエリアに向けてパスを出したかを見てみます。
相手のファイナルサードにパスを出した割合が一番多いのは、圧勝したユナイテッド戦。逆に一番少ないのが堅い試合展開となったシティ戦と、マンチェスター勢で真逆の結果になっているのが前半戦の勢いの差を物語っています。シティ戦に関しては、ディフェンシブサードへのパスが一番多くなっており、相手のプレッシャーを避けるために後方でパス回しをしていたことが目に浮かびます。
個人的に謎なのがバーンリーです。シティ同様後方へのパスの割合が多くなっています。シュート編でオンターゲットのシュート数が多かったと紹介しましたが、スコア以上に苦戦を強いられたのでしょうか。(内容をあまり覚えていないんですよね。。)
・パスの方向
最後はパスの方向です。元データには前後左右の4方向のデータがあるのですが、合計値が総パス数を超えていることからもダブっています。そのため、前と後ろ、右と左でそれぞれ比較していきます。
前後の比率が6:4、左右の比率は5:5と分かる程度でそれほど顕著な特徴は見えませんね。トッテナム戦のみ前後の比率が7:3と開いていますが、これにはどういった状況が反映されているのでしょうか。どなたか分かる方がいらっしゃったら教えて欲しいです。
おまけとして、対戦相手のパス方向も載せておきたいと思います。グラフを見る限りではカーディフとクリスタルパレスのパスに左右差がある気配がしています。
戦術や分析に関して、こういう見方もあるよ、こうして見た方がいいよ、などご意見等ありましたら、コメントで教えていただけると幸いです。ぜひよろしくお願いいたします!